■ は行
【バイアス】ばいあす
観測した治験薬の薬効や安全性の本当(真)の薬効や安全性からの系統的なずれ。「偏り」ともいう。
【賠償】ばいしょう
契約法、不法行為法、PL法等に抵触し、過失により生じた被験者の受けた損害を担保すること。違法性が前提となる。
【パイロット試験】ぱいろっとしけん
単回投与試験で得られた結果に基づき、適正な用法・用量を推定するため、被験者数を増やして安全性・有効性を確認しながら実施する試験。
【バラツキ】ばらつき
観測した治験薬の薬効や安全性の散らばり。
【反復投与試験】はんぷくとうよしけん
薬剤を反復して投与し、経日的に血中濃度等の推移を調べ、治療有効域の推定や、定常状態における変化等について確認するための試験。
【ヒアリング】ひありんぐ
新規依頼された治験が当該医療機関で実施可能かどうかを、治験審査委員会(IRB)審査前に治験内容を検討する会議。治験薬概要書、治験実施計画書の内容をはじめ、必要な書類、資料、データについて治験依頼者より説明を受け、不足や疑問点などについて治験依頼者、治験責任医師から追加、修正、回答を得る。
【比較対照試験】ひかくたいしょうしけん
被験薬と薬効の類似した標準薬やプラセボと有効性、安全性を比較する試験。
【被験者】ひけんしゃ
治験に参加し、治験薬(またはその対照薬)の投与を受ける個人。
【被験者識別コード】ひけんしゃしきべつこーど
治験の結果を報告する際に、個々の被験者に対するプライバシー保護の観点から、被験者の氏名の代わりとして責任医師が割り付ける識別符号。被験者識別コードと各被験者の対応表は実施医療機関にて保存される。
【被験治療】ひけんちりょう
比較対照試験において試験される治療のこと。比較される治療は対照治療[Active(Placebo)control]という。
【被験薬】ひけんやく
当該治験において、その特性を試験しようとする治験薬。開発中の候補物質(Investigational new drug)、いわゆる実薬のこと。
【必須文書】ひっすぶんしょ
治験実施により得られるデータや実施の記録など、治験の評価・再現を可能とする文書や記録の類。
【標準薬】ひょうじゅんやく
有効性・安全性が確立し有用であると考えられている既存薬のうち、対照薬としてもっとも適当なもの。
【秘密の保全】ひみつのほぜん
治験薬概要などの治験依頼者に帰属する情報、被験者の身元をはじめとする被験者情報などを認められた者以外に開示しないこと。
【非盲検試験】ひもうけんしけん
<オープン試験>おーぷんしけん
被験者がどの治療群に割付けられたか、医師側も被験者側もわかっている試験法。

【標準業務手順書】ひょうじゅんぎょうむてじゅんしょ
<SOP(Standard Operating Procedures)>えすおーぴー
ある特定の業務を誰が実施しても均質かつ適切に行えるように、その業務手順を体系的にまとめた指示書。治験関連の業務は、個々にそのSOPが作成されている。
【非臨床試験】ひりんしょうしけん
<前臨床試験>ぜんりんしょうしけん
医薬品の候補となる物質の有効性・安全性を確認するために実施される動物などを用いた実験の総称。ヒトを対象とする臨床試験(治験)とは異なる、またはそれ以前に行うことから、こう呼ばれる。
【非劣性試験】ひれっせいしけん
ある治療法に対する反応が、他の治療法に対する反応と比較して、臨床的に劣っていないのを示すことが主要な目的の試験。
【品質管理】ひんしつかんり
<QC(Quality Control)>きゅーしー
治験の質を検証する目的で実施される一連の品質管理活動のこと。治験が実施計画書やGCP等関係法規を遵守して行われているかを確認するために行う。モニタリングがこの中に含まれる。
【品質保証】ひんしつほしょう
<QA(Quality Assurance)>きゅーえー
治験の実施、データ作成、文書保存、報告などがGCP等関係法規を遵守して行われているかを保証する目的で行われる行為。監査がこれに該当する。
【フェイズ1(Phase 1)】ふぇいずわん
<第I相試験>だいいっそうしけん
健康な成人ボランティアを対象とし、主に治験薬の安全性および薬物の体内動態について確認するための試験。専用の設備をもった特定の施設でのみ実施している。抗がん剤等の治験では、患者を対象として実施する。

【フェイズ2(Phase 2)】ふぇいずつー
<第II相試験>だいにそうしけん
比較的少数の患者を対象とし、主に治験薬の安全性および用法・用量をについて調査・確認するための試験。第I相試験で安全性が確認された用量の範囲内で、安全で効果的な投与量を設定する目的の場合が多い。
【フェイズ3(Phase 3】ふぇいずすりー
<第III相試験>だいさんそうしけん
第II相試験より多くの患者を対象とし、実際の治療に近い状態での有効性および安全性を確認するための試験。第II相試験で得られた結果に基づいて試験の設定がされており、他の薬剤との比較なども行う。
【フェイズ4(Phase 4)】ふぇいずふぉー
<第IV相試験>だいよんそうしけん
製造販売後臨床試験のこと。承認された医薬品は、第III相試験まで終了していることから、「その次」という意味で便宜的に用いられている。
【副作用】ふくさよう
投与量にかかわらず、投与された治験薬に対するあらゆる有害で意図しない反応(臨床検査値の異常を含む)。すなわち、当該治験薬と有害事象との因果関係について、少なくとも合理的な可能性があり、因果関係を否定できない反応を指す。国際的には「ADR」という。
【副次的評価項目】ふくじてきひょうかこうもく
<セカンダリーエンドポイント>せかんだりーえんどぽいんと
治験の主要な評価項目以外の、その他2次的な評価項目のこと。主要評価項目との関連性は、必ずしもあるとは限らない。
【負担軽減費(治験協力費)】ふたんけいげんひ(ちけんきょうりょくひ)
被験者が治験に参加することによって生じる、通院回数増加による交通費の増大や院内滞在時間延長による外食費等の余分な経費など、被験者のデメリットを解消するために支払われる費用。
【プライマリーエンドポイント】ぷらいまりーえんどぽいんと
<主要評価項目>しゅようひょうかこうもく
治験の主要な目的に基づき選択される評価項目のこと。臨床的、生物学的にも意味があり、薬理学的な裏付けも取れ、客観的な評価が可能であることが重要となる。
【プラセボ】ぷらせぼ
<偽薬>ぎやく
治験薬と外見上区別が不可能で、有効成分を含まない(治療効果のない)薬剤のこと。治療内容の盲検化や比較試験の対照薬として用いられる。
【プラセボ期】ぷらせぼき
治験の開始時において、期間を限定してプラセボを使用する場合があり、その期間を指す。前治療の影響を軽減し、短期の効果について分析の感度が確立される場合がある。
【プラセボ効果】ぷらせぼこうか
薬効成分を含まないプラセボを薬と思って飲んだ場合に、「薬を飲んだ」という心理的な影響により生じる「思い込みによる治療効果」のこと。患者側だけでなく、医師側にも生じる。
【プラセボ対照試験】ぷらせぼたいしょうしけん
対照としてプラセボを用いる比較試験。恣意的な影響を避けるため、通常は二重盲検下で行い、割付も無作為化される。
【ブリッジング試験】ぶりっじんぐしけん
<ブリッジングスタディ>ぶりっじんぐすたでぃ
主に海外で実施した治験のデータを、国内に外挿するために実施される試験。その地域での有効性・安全性、用法・用量に関する臨床データ等の収集を目的とし、その結果を海外のものと比較して同様の傾向があることを確認する。
【プロトコール】ぷろとこーる
<治験実施計画書>ちけんじっしけいかくしょ
治験実施にあたり、実施医療機関および治験依頼者が遵守すべき要件が網羅された計画書にして実施要綱。治験の背景から統計解析法に至るまで記載されており、治験はこれに則って行われる。
【並行群間比較試験】へいこうぐんかんひかくしけん
被験者を治験薬群と対照薬群に割り付け、各群とも同時並行に規定された期間薬剤を投与して、その結果を比較する試験法。おそらく最も一般的に行われている試験法だと思われる。
【ベースライン対照試験】べーすらいんたいしょうしけん
治療によるベースラインからの経時的な状態変化を、その治療が行われなかった場合の変化(の推定値)と比較する試験法。
【ヘルシンキ宣言】へるしんきせんげん
1964年に世界医師会で定められた臨床研究の倫理規範。「被験者の利益は、科学や社会に対する寄与よりも優先されるべきである」と定められている。(最新版:2008年10月修正版)
【保険外併用療養費制度】ほけんがいへいようりょうようひせいど
高度先端医療など、保険診療と自由診療が混在した場合にも保険給付を認める制度。治験の場合は、治験薬服用期間中の全ての検査・画像診断料と同種同効薬に関わる費用が対象となり、その負担は治験依頼者がもつ。
【補償】ほしょう
治験依頼者側に過失がない場合でも、治験との因果関係があれば被験者の受けた損害を担保すること。社会的救済の一種であり、違法性を前提としない。
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